研究概要

山口喜久二式自然養蜂に関する理論構築と実践的研究

近年、ヨーロッパ各国において残留抗生物質問題が深刻な問題として取り上げられていることをふまえ、世界の養蜂業界に多くの解決すべき課題が提起されてきた。山口は、長年にわたる養蜂技術の実践と経験を通して、現代養蜂の抱える問題として、不適切な養蜂環境、過重な生産量や行き過ぎた品質改良による蜂群の種性低下や耐病性低下、蜂産品の誤った加工処理や品質管理への配慮欠如による蜂産品の品質低下などの多くの問題点があることを指摘した。
これらの問題を解決するために、ミツバチが本来備えた能力に基づく自然養蜂への回帰、例えば蜜源や水源確保に配慮した適切な蜂場ロケーションの確保、蜂群のローテーションによる蜂群強化、薬剤非汚染地域でのオーガニック養蜂の普及、付加価値の高い蜂産品の生産と品質管理への対策が必要であることを実践を通して明らかにしてきた。
また、その自然養蜂理論を「山口喜久二式自然養蜂」として体系的に確立してきた。
また、これらの課題が、とりわけ中国養蜂界にとって重要であることから、中国の養蜂家に対して自然養蜂の意義について啓発するとともに、雲南農業大学ミツバチ科学部の学生に対して自然養蜂の意義について講義を行うなど次代養蜂人材の育成に努めてきた。 その一方で、養蜂は産業であり、より付加価値の高い蜂産品を生産する基盤を整えつつ、産業としての養蜂の将来展望やあり方について提言を行ってきた。
これら自然養蜂の理論構築、実践、学術的な裏付けについて、2編の解説論文を著わすとともに、学位論文にまとめた。

Innovation of natural beekeeping and quality control of bee products for promising apiculture. 1 Current problems of beekeeping and recurrence of natural bee-culture for resolution of the problems. J. Yunnan Agricultural Univ., 19(3):322-329 (2004) Innovation of natural beekeeping and quality control of bee products for promising apiculture.2 Modern approaches for quality control and value added of bee products. J. Yunnan Agricultural Univ., 19(4): 440-447 (2004) Analysis and functional research on the major components of royal jelly produced by natural beekeeping. Yunnan Agricultural University Ph.D. Dissertation, 138pp (2012)